プロトタイプを作ることの大切さ──『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』開発者インタビューより

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今回は、クリエイターへのインタビュー記事から「プロトタイプを作ることの大切さ」を学んでいきたいと思います。

該当するインタビュー記事は、ゲーム『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(以下、『ゼルダの伝説BotW』)のものです。この記事は「ファミ通.com」に掲載されました。

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現時点(2017年)で「ゼルダの伝説」シリーズの最新作である『ゼルダの伝説BotW』は、シリーズ最高傑作というファンからの呼び声が高い作品です。目に見える範囲のどこまでも行ける広大なフィールド、空を滑空したり、焚き火をしたり、料理を作ったりできる自由度、プレイヤーを飽きさせない探索性などがその理由です。

そんな『ゼルダの伝説BotW』ですが、とにかくゲーム内の仕掛けが多岐にわたるため、開発に多大な苦労が伴うことは素人目から見ても明らかでした。そこで、少しでもゲームの開発を効率化するため、開発陣がとったのが「プロトタイプを作成する」という方法です。

――先日のGDC2017の講演では、開発初期にテストとして2Dのプロトタイプを作成されていたことが明かされて、大きな話題になりましたね。開発の順序としては、『風のタクト HD』制作後に、本作の2Dプロトタイプが作成され、開発が本格化した、という流れでしょうか?

堂田 本作のもともとのコンセプトとして、とにかく広いフィールドを、ロードなしでシームレスに冒険したい、そして遠くに見える場所にもたどり着けるようにしたい、というものがありました。でも、フィールドを広くしただけでゲームがおもしろくなるわけではないので、世界を作ることと平行して、おもしろさを生み出すものとして、“掛け算の遊び”(詳細は→コチラ)を入れることにしました。ただ、それを3Dで試作すると、とても手間がかかってしまうので、コンセプトが合っているかを確認するために、2Dのプロトタイプを制作したんです。ですので、世界作りと並行して、遊びかたを詰めるために2Dプロトタイプを同時に作った形ですね。

藤林 2Dで作っているから2Dの発想をして、3Dになったから3Dで考える……といった順序立てて切り換えるわけではなくて。3Dで世界を制作している最中にも、こっちでは2Dで、という感じで、いろいろなスタッフが本作の原型になるものを作るため、同時並行的にいろいろなことをしていましたね。

最初から全部を3Dで作っていては時間がかかる。そこで2Dのプロトタイプを並行して作り、システムを確認しながら作業していった──。

つまり、大きなコンテンツを作る際は、小さなプロトタイプを作っておくといい、ということです。

これは大人数での開発に限らず、少人数での創作にも共通します。ゲームだけでなく、たとえば、ひとりで執筆する小説などでも、長編を書く場合には使えるテクニックです。

ほかにも、さまざまな場面でこの方法は応用できるでしょう。「まず、プロトタイプを作る」。それによって、自分がやりたいことを先に詰めることができる。この方法は覚えておきたいところです。

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