ドラクエの生みの親から学ぶ──アプリやゲームは、マニュアルを見なくてもわかるように

「ドラゴンクエスト」シリーズの生みの親、堀井雄二さんのインタビューがネット上で公開されています。

媒体は「電ファミニコゲーマー」というニュースサイトで、インタビュー自体、かなりの長文で大変面白いです。

しかし、ここでは「アプリやゲームの開発」をテーマに、以下の部分に注目してみたいと思います。

――お話を聞いて、やはりこの30年に「ドラクエ」は、本当に日本人とともに成長してきたことを感じました。そもそも「ドラクエ」が登場したとき、日本人はRPGなんて概念はほとんど知らなかったわけですよね。

堀井氏:当時の話をすると、まず「ドラクエ」は「マニュアルを見なくても遊べる」というコンセプトを立てたんですよ。

――ユーザーが説明書なんて読まない前提で、ゲームの中での誘導やUIで感覚的に理解させていくというのは今や当然ですけど、相当に早い発想ですよね。しかも、それをRPGという概念さえ知らない人間たちに向けて、いわば堀井さんは「啓蒙活動」を始めたわけじゃないですか。

堀井氏:まあ、僕自身がマニュアルを読まない人だったんでね(笑)。
 だから、パッと見て「あ、そうか」で何となく分かるようにしたかったんです。コマンド名も「はなす」や「どうぐ」にするだけで、一目で分かるじゃないですか。こういう工夫をたくさん入れました。
 『ドラクエI』で言うと、僕らは最初に7マス×7マスくらいの王様の部屋へ、プレイヤーを閉じ込めたんですよ。すると、当時はアクションゲームが主流の時代でしたから、一応「どうなるんだろう」と思って、プレイヤーがボタンを押してくれるんですね。
 すると、コマンド画面が開きます。そこを見ると「はなす」とか「あける」とか「しらべる」があって、それを使ってると王様と話したり、カギを見つけたり、扉を開けたりして、もう下に降りる頃にはほとんどのコマンドが分かってしまう。

参考

【堀井雄二インタビュー】「勇者とは、諦めない人」――ドラクエが挑んだ日本人への“RPG普及大作戦”。生みの親が語る歴代シリーズ制作秘話、そして新作成功のヒミツ電ファミニコゲーマー

今や日本におけるRPGの代名詞となった「ドラクエ」。1986年の初登場から現在に至るまで、長年愛されるブランドになりました。

そうなった秘密のひとつは、マニュアルを見なくてもプレイヤーが操作方法を自然と覚えられるような設計になっていたことです。

そして、これはゲームだけでなく、Webアプリやスマホアプリの開発にも通じることです。

ほとんどのユーザーは、マニュアルなんてまず読みません。いきなりアプリを使い始めます。開発者には、そうしたことを見越して、直感的に操作方法がわかるようにしておく気配りが求められます。

反対に、一番やってはいけないのが、「とにかく多機能にする」というもの。往々にして、多機能なアプリはとっつきにくくなります。いくらできることが多くても、ユーザーを惑わせてしまっては意味がありません。時として、わかりやすさのためには、ある機能をばっさり削ってしまう勇気も必要でしょう。

どんな機能を残し、どういうふうに機能を使わせるのか。そうした判断力もまたクリエイティビティのひとつです。

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